TOPページにも書きましたが、中国・台湾茶は日本茶に比べて、淹れ方が本当に簡単です。
よく、1煎目は捨てたり、急須にお湯を掛けたりしますが、無視して良いです。それにはそれで抽出時のお湯の温度を下げないという意味が有り後で解説を致しますが、熱湯を使って淹れれば大体美味しくなります。紅茶も同じです。
とは言え、理論は理解しておきましょう。
以下のようなセットをよく使います。

まず、第一の特徴は、「茶壷(チャフー)」と呼ばれる急須を使います。有名なのは紫砂壺(しさこ)と呼み、上海から車で3時間程度、無錫旅情で有名な無錫(むしゃく)市のそば、 中国江蘇省宜興(ぎこう:yixing)市(陶都)の名産品です。
紫砂の陶土は、紫色、紅色、緑色の成分が含まれるため「五色の土」とも呼ばれます。釉薬を使わず、原石の陶土の色そのままの茶壺は、茶、黒、緑、柿、黄土色など様々な色が有ります。

良質な紫砂壺はお湯の温度が非常に冷めにくいのですが、紫砂は独特な土の成分と気孔があるため、水は通さないが蒸気は通すという性質を持っていますため、羽毛布団やダウンジャケットのように空気の層となるのです。
内側に熱湯を入れ、かつ、外側にもお湯をかけるのは、この急須全体を温めつつ空気層も温めるためです。烏龍茶は、茶葉の種類ごとに決まった一定の温度と一定の時間で抽出するのが一番美味しいからです。そして、どんな中国茶も80℃以下になると美味しくなくなると言われています。100℃から90℃の間で香りが出ますので、是非熱湯で淹れて下さい。
そしてこの急須は、お茶成分と香りを吸着、まろやかにし、おいしい烏龍茶を淹れることが出来ます。お茶が染み込み愛着のある茶壺となっていくのですが、それゆえ紫砂茶壺は、お茶の種類ごとに茶壺が必要になるのです。

次に、急須が置いてある皿ですが、これは「茶船(ちゃせん)」と言って、お湯があふれたり、かけた時にお湯を受ける役割の物です。このお皿を使わずに下の画像のような木や竹で作られた「茶盤(ちゃばん)」と言う物を使ったりします。お湯が流れて行く道を削って作ってあり、さらにパイプを通って見えないところの水がめに流れます。お盆の役割もします。

一定時間抽出をしたら、全て「茶海(ちゃかい)」に注ぎます。左下の白いお茶が入っている物です。いわゆるピッチャーの役割です。一定時間経ったら茶葉からの抽出を止める為です。こうすると、もう一度二度三度とお茶を抽出淹れることが出来ます。

次に茶海から、細長い「聞香杯(もんこうはい)」に注ぎます。これは、茶の香りを楽しむための茶器です。お茶を一端聞香杯に注ぎ、聞香杯から「茶杯(ちゃはい)」に茶を移した後、聞香杯に残された茶の香りを楽しみます。最後に、茶杯でお茶を飲みます。
これが、「茶藝」とか「工夫茶」と言われる淹れ方です。
意味が分かったら、簡単ですね!ゆったりと作法を楽しみ時間を楽しむには良いのですが、上に書いたように紫砂茶壺は、お茶の種類ごとに茶壺が必要になるのです。それゆえそれぞれのお茶本来の味を試して頂くことが出来ないので当店では使っていませんし、タンブラーなどで簡単に淹れて頂ければと思うのです。
日本茶の淹れ方、中国茶との違いは、こちら➡