青茶の製造方法
④殺青(さっせい)
カテキンの酸化を止める為に、茶葉に火を入れる(熱する)作業です。 上の中国茶六大茶類の図を見てください。酸化は、放っておくとどんどん進みますので、殺青で酸化を止めます。青茶は、途中まで、紅茶・白茶は、ずっと発酵しています。この殺青は、日本茶の蒸しの工程と同じですが、中国茶は、主に鍋で炒るため、海藻のような青臭味ではなく、香ばしくなります。
⑤揉捻(じゅうねん)
殺青後の熱が有るうちに葉を揉む作業です。形を整えながら細胞を壊し成分を浸出しやすくさせます。
みん南(みんは門構えに虫と書き、福建省のこと)青茶と台湾青茶は、布に硬く包んで行うため「包揉(ほうじゅう)」「団揉(だんじゅう)」とも呼びます。
⑥乾燥
熱で乾燥させて粗茶の出来上がりです。出荷前や問屋・販売店で最後にもう一度乾燥の工程を行うことも有ります。
烏龍茶の産地
①福建省 ②広東省東部 ③台湾 →気候の影響高い為、烏龍茶の銘茶はここにしかありません。※台湾近辺の丸の中です。

①-1 みん北青茶
福建省北部、武夷山を中心とする地域
特徴:重萎凋軽揺青:放置、水分の蒸発工程に重きを置き、揺らして葉に傷をつける作業は少ないため、この様な形状になります。
代表:岩茶(巖茶)
形状:条形、縦長でよじれの有る形。

①-2 みん南青茶
福建省南部
特徴:軽萎凋重揺青:みん北の逆で、放置、水分の蒸発工程を軽く行い、揺らして葉に傷をつける作業を多くします。
代表:鉄観音、黄金桂
形状:球状、布にくるんで固く締める「包揉」工程でこのような形になります。

② 広東青茶
広東省東部、潮州市鳳凰山近辺を中心とする地域
特徴:独立した1本の木と言う意味の「単欉」の名が付く物、木が違えば味も香りも異なると言う考え、鳳凰単欉でも80種を超える種類が有ります。
代表:鳳凰単欉(ほうおうたんそう):花の香り、嶺頭(りょうとう:白葉)単欉:熟した果実の香り、黄枝香(おうしこう:クチナシ香)単欉、桂花香(けいか香)単欉:金木犀の香り
形状:条形、細長くきつめの縒(よ)り。

③ 台湾茶
台湾には、青茶のみでなく様々な種類のお茶が有りますので、まず、台湾における主な品種とお茶の分類からご説明します。
品種:鉄観音・四季春・翠玉・金萱・青心烏龍・青心大有・武夷
分類

台湾では、様々な品種で様々なお茶を作るためバリエーションが出来ます。(大陸は、品種重視の作り方をします。)
凍頂烏龍茶
台湾を代表する筆頭銘茶。南投県鹿谷郷の凍頂山を原産地とする。「包揉」工程で球状に仕上げられます。緑茶に近い味です。

文山包種茶
青茶の中ではカテキン酸化度が一番低いとされる。緑茶と烏龍茶の中間です。台湾での別名は清茶。良いお茶は香りが強く、かつ、スッキリとした飲み心地です。

東方美人
発芽の頃、ウンカと言う虫に噛まれた葉を敢えて使用し、独自の製法により作り上げたお茶。ウンカに噛まれた葉と芽の銀針が白い色をしている部分で、この葉が甘さを出します。青茶の中ではカテキン酸化度が一番高い。紅茶と烏龍茶の中間。「白毫烏龍茶」「台湾烏龍」「椪風茶」「Oriental Beauty」など、別称を多く持つ。香り味共に、まさに、紅茶と烏龍茶の中間で、甘みが有ります。

※加水分解酵素:水を加わえ分解されることを助ける物質