「烏龍茶」=青茶です。
名前の由来:カラスの龍のお茶。お茶の葉が丸まったところ(珠葉)にしっぽが出ている形からこの名が付きました。

下の図は、中国茶の製法から6種に分類した物です。

上から順に工程が書かれています。青茶=カテキンの酸化を100%未満で止めた半発酵茶のことを言います。ちなみに、緑茶は無発酵茶:発酵度:0%。紅茶は100%の完全発酵茶です。殺青と言う工程で止めるのですが、紅茶と白茶は発酵を止めません。なお、ここで言う発酵は、菌による発酵ではなくて、酸化のことです。
烏龍茶は、ある程度成長した葉を使います。緑茶は1芯1葉2葉、烏龍茶には出たばかりの葉を使うのは難しいのです。
台湾で飲まれているのは、青茶がほとんどです。 比較的台湾茶は若め、岩茶(下記 みん北青茶 参照)は成長したものを使います。
青茶の製造方法
①摘み(つみ)
茎を残して摘みます。→茎の水分が葉に流れ(走水と言う)、時間をかけて乾くことで香りがよく出るようになります。日本茶と違って中国茶に茎が残っているのは、このためです。日本では茎茶と言って、安いお茶に茎が混ざっていますので、知らない人は、安いお茶と思うかもしれませんが、これは、手摘みでないと出来ませんので、良いお茶の証です。次の工程で茎の重要性がわかります。
②萎凋(いちょう)
摘んだ葉を、放置して水分を蒸発・発散させる工程です。

摘まれたことによるストレスが加水分解酵素※を作り、糖の鎖を水分が切り、香りが出ます。この水分を茎から補給します。この時に茶葉中の水分量変化により、大量の芳香物質が生まれます。つまり、茎が付いていることによって葉の水分は蒸発・発散だけでなく供給もされ、それによってあの薫り高いお茶になるのです。日本茶は、茎が無く、摘んで直ぐに蒸してしまいます。中国茶が香りで、日本茶は味を重視しています。
③做青(さくせい:青茶のみの工程)
静置と揺青(ようせい:揺らして葉に傷をつける作業)を繰り返し、酸化酵素の活性化によるカテキンの酸化を進めます。 做青と乾燥、再加工時の火入れで各々独特の風味を作り出します。